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日本透析医学会が毎年実施している統計調査「わが国の慢性透析療法の現況」によると、2009年12月時点で、国内で透析療法を受けている患者数は29万675人で、前年度より8053人増加した。うち糖尿病が原因となり透析をしている患者は全体の3人に1人以上の9万8252人に上る。 |
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調査は日本透析医学会が全国の4196の透析療法施設を対象に実施したもの(4125施設から回答)。今回の調査では腹膜透析のみを実施している施設への調査も行った。
それによると、2009年12月現在で、国内で透析療法を受けている患者数全体は29万675人で、前年度より8053人増加した。人口100万人あたりの透析患者数は約2280人で、前年度より66人増加した。日本の全人口に占める透析患者数の割合は、およそ440人に1人に相当する。
2009年に新たに透析療法を開始した患者(導入患者)の数は全体で3万7543人。 |
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日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日)」 |
施設患者数の多い上位5都道府県は(1)東京都、(2)大阪府、(3)神奈川県、(4)愛知県、(5)埼玉県。上位9県では患者数が1万人を超えている。透析の治療形態は、昼間血液透析が82.2%で、前年度より0.5%増加した。夜間血液透析は14.4%で0.6%減少、在宅血液透析患者は0.1%だった。 |
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導入患者の透析を始める原因となった疾患(原疾患)の第1位は糖尿病性腎症で、全体の44.5%にあたる1万6414人が該当し、前年より1.3%増加した。糖尿病性腎症の割合は、前年の調査ではじめて減少が示されたが、今回の調査で増加に転じた。
2位以下は、慢性糸球体腎炎で22.0%(1.0%減)、不明が10.6%(不変)、腎硬化症が10.7%(0.2%増加)だった。
1998年に糖尿病性腎症と慢性糸球体腎炎との間で原疾患の首位の座がいれかわって以来、糖尿病性腎症は増加の一途を示している。導入時の平均年齢は、糖尿病性腎症で65.7歳(前年より0.1歳増加)だった。 |
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日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日)」 |
現在、透析療法を受けている患者のうち、原疾患が糖尿病性腎症である患者の数は9万8252人(35.1%、前年より0.9%増)で第2位。第1位は慢性糸球体腎炎の37.6%(同1.4%減)だった。
1998年に糖尿病性腎症が導入原疾患の第1位となってから、糖尿病性腎症患者の占める割合は上昇を続けており、年を経るごとに慢性糸球体腎炎との差は縮まる傾向にある。 |
(社)日本透析医学会統計調査委員会 図説「わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在) |