β-Health通信 953号掲載(平成16年3月20日号) 〜食事療法で実りある透析生活を Part1〜

食事療法で実りある透析生活を

透析治療は20世紀に開発された特筆すべき治療法の一つです。腎不全に必須の治療法であるということを知らない人はいないでしょう。臓器の機能が廃絶した状態から制限はあるものの日常生活や社会復帰ができるということは素晴らしいことです。これは心不全や肝不全の末期になると移植しか方法がなく、それも幸運に恵まれた人しか受けられないことから容易にお分かりいただけるでしょう。

しかし、残念ながら完全な腎臓の代わりではありません。透析療法では平均すれば透析療法にはいる前の腎不全(これを保存期腎不全といいます)の中期ぐらいしかコントロールできません。

わたしたちはいろんなものを食べたり、飲んだりします。腎臓が正常に働いていれば自由に飲み食いしても身体の状態を一定に保ってくれますが、透析療法では注意しないと食べたり、飲んだりしたものが身体に蓄積されます。腎臓は四六時中働いています。週3回、4〜5時間の血液透析でその代わりを完全にできるはずがないのです。

ところが保存期腎不全の時にはしっかりと食事療法した人でも透析治療が始まるといつしか食事療法がおろそかになります。透析患者さんの80%近くもの人が食事療法を意識せずに普段食事をしているというアンケート調査もあります。

保存期腎不全のときは少しでも透析開始を遅らせる、尿毒症状を防止するというのが食事療法の大きな目標でした。透析療法開始後の食事療法の目的はより良い状態を保ち長生きすることです。このためには良好な栄養状態を保ち、長期間の合併症を予防しなければなりません。




 
 
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