(社)日本透析医会 顧問 医学博士
中橋 彌光
近年、透析療法の急速な進歩によって、患者さんのQOLは以前よりも大変高まってまいりました。しかし、今なお透析終了直後の倦怠感や全身の痙攣、特に下肢の痙攣発作(こむらがえり)や異常な低血圧発作などが起こり、その原因について、さまざまな研究がなされております。そして、これらの症状の大部分は透析療法によって、尿毒素や過剰な水分を除去する過程で必要な栄養素も同じように、透析膜を通過して除去されてしまうために起こる一種の透析合併症であることが明らかになってきました。
即ち、L-カルニチンをはじめビタミンB1、B2、B6、葉酸、ナイアシンなどの水溶性ビタミン群、さらに、鉄などの栄養素が透析により流出し、また、欠乏することが原因であり、特にL-カルニチンは筋肉の痙攣や倦怠感、透析時低血圧症の防止に極めて有効な栄養素であることが判ってまいりました。
本来、日常の食生活で必要な栄養素を補うのが基本であり、大切なことでありますが、食事・塩分・水分摂取について多くの制限がある患者さんにとって、これらを充分に補給することは非常に困難なことです。
そこで、これらの栄養素を簡便・手軽に補給するため、透析患者さんのために開発された栄養補助食品を利用され、お元気で、より一層快適な透析生活を送っていただきたいと願っております。
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