自分の命は自分で守るのだという強い意識が大切です。
■ 透析時間 〜「できるだけ長く」が理想的〜
全腎協が調査した全国平均は4時間16分だが、達人の平均透析時間は約4時間32分と長め。充分な透析時間が、元気で長生きにつながっていると見られる。
■ 水分 〜自己管理の基本〜
30年以上の達人の約半数は除水2.5リットル以下。お茶は熱いものを、食後にゆっくり飲んで充足感を得るなど、水分摂取を控える工夫をしている。塩分を摂ると体が水を要求するので、注意が必要。家族が一緒に食事をする際には、調理時に塩分を減らしておき、透析者以外は、好みで調味料をつけて食べるなど、協力してもらうことも大切。
■ 検査データ 〜自分の体を守る最低限の知識〜
身体を守る最低限の知識として、自分の数値変化、その意味を理解しよう。「尿素窒素は体に溜まっている毒素で、タンパク質を多く摂ると増える」などの情報を、家族も得ることが望ましい。堀澤さんが、医師に取材し、知っておくべき8項目としてあげたのが下記表。
■ 運動 〜よく歩く、よく動くが大切〜
達人の多くは、水泳、卓球、をはじめ、ゴルフやスキーなど、運動を習慣にしている。「よく歩くように心がける」や「人に頼らずに何でも自分でやる」という回答も多い。至れり尽くせりで透析者の面倒を見るのは、「一人では何もできない」という心理に追い込んでしまうので逆効果
■ 食事 〜バランスよく、しっかりと〜
カリウムとリンの摂りすぎに注意しながら、朝、昼、晩の3食をきちんと食べて、カロリーをしっかり摂取することが基本。@天然だしで調理し、塩分控えめで旨味をを出すA素材の味を楽しむB透析の間が中2日になる時は、水分、塩分の多い料理を控えるなど、家族の理解と協力を得て調理法を工夫する。塩分を控えて料理をしてくれる馴染みの店を作ることも、外食を楽しむ方法のひとつ。
■ 通院生活 〜院内感染に注意〜
透析者は細菌に対する抵抗力が弱いので、共有物に触るのは極力避ける。透析前と後には必ず手洗いをする。外出から帰ったら、うがいを徹底する。
■ 生きがい 〜先の目標、次の楽しみを持とう〜
「何でも楽しもう」の精神で、旅行やゴルフ、映画観賞などで頻繁に出歩く人、「仕事をすることが元気の秘訣」と、忙しい毎日を送る人、ヘルパーの資格取得など、「いつも、小さくても目標を持つ」をモットーにチャレンジを続ける人など、健常者以上に、積極的で前向きな姿勢が、達人を達人たらしめている
。