β-net掲載 〜透析者が元気で長生きする秘訣〜


「元気で長生きの秘訣」を堀澤さんの著書から抜粋してご紹介します。

自分の命は自分で守るのだという強い意識が大切です。

透析時間 〜「できるだけ長く」が理想的〜
全腎協が調査した全国平均は4時間16分だが、達人の平均透析時間は約4時間32分と長め。充分な透析時間が、元気で長生きにつながっていると見られる。

水分 〜自己管理の基本〜
30年以上の達人の約半数は除水2.5リットル以下。お茶は熱いものを、食後にゆっくり飲んで充足感を得るなど、水分摂取を控える工夫をしている。塩分を摂ると体が水を要求するので、注意が必要。家族が一緒に食事をする際には、調理時に塩分を減らしておき、透析者以外は、好みで調味料をつけて食べるなど、協力してもらうことも大切。

検査データ 〜自分の体を守る最低限の知識〜
身体を守る最低限の知識として、自分の数値変化、その意味を理解しよう。「尿素窒素は体に溜まっている毒素で、タンパク質を多く摂ると増える」などの情報を、家族も得ることが望ましい。堀澤さんが、医師に取材し、知っておくべき8項目としてあげたのが下記表。

運動 〜よく歩く、よく動くが大切〜
達人の多くは、水泳、卓球、をはじめ、ゴルフやスキーなど、運動を習慣にしている。「よく歩くように心がける」や「人に頼らずに何でも自分でやる」という回答も多い。至れり尽くせりで透析者の面倒を見るのは、「一人では何もできない」という心理に追い込んでしまうので逆効果

食事 〜バランスよく、しっかりと〜
カリウムとリンの摂りすぎに注意しながら、朝、昼、晩の3食をきちんと食べて、カロリーをしっかり摂取することが基本。@天然だしで調理し、塩分控えめで旨味をを出すA素材の味を楽しむB透析の間が中2日になる時は、水分、塩分の多い料理を控えるなど、家族の理解と協力を得て調理法を工夫する。塩分を控えて料理をしてくれる馴染みの店を作ることも、外食を楽しむ方法のひとつ。

通院生活 〜院内感染に注意〜
透析者は細菌に対する抵抗力が弱いので、共有物に触るのは極力避ける。透析前と後には必ず手洗いをする。外出から帰ったら、うがいを徹底する。

生きがい 〜先の目標、次の楽しみを持とう〜
「何でも楽しもう」の精神で、旅行やゴルフ、映画観賞などで頻繁に出歩く人、「仕事をすることが元気の秘訣」と、忙しい毎日を送る人、ヘルパーの資格取得など、「いつも、小さくても目標を持つ」をモットーにチャレンジを続ける人など、健常者以上に、積極的で前向きな姿勢が、達人を達人たらしめている 。

 ■血液検査データの読み方 
【 】内の緑色の数値は目標値青色は達人の平均値
@尿素窒素(BUN) 【60〜80mg/dL】 43〜100mg/dL

食べものの摂取量に比例する。多くなると、血管壁や消化管の粘膜などの細胞に障害が出る。タンパク質の多い食事はリンやカリウムも多いので、これらの数値も合わせ見ることが必要。

Aクレアチニン値(Cr)  【8〜15mg/dL】

透析後にどれだけ値が落ちているかが、透析が充分かどうかの目安になる。

B尿酸(UA) 【男:3.2〜8.0mg/dL 女:3.2〜6.0mg/dL】

食物のプリン体が分解してできる老廃物で、たまると動脈硬化や痛風などの症状が起こる。

Cヘマトクリット値(Ht)  【30〜35%】 29〜35%

赤血球が血液中に占める容積、割合。酸素と栄養素を運ぶ能力、つまり「元気のもと」の指標。30以下に下がると貧血症状が起こる。

Dアルブミン(Alb)  【3.5〜5.0g/dL】 2.4〜4.6g/dL

肝臓でつくられるタンパク質の一種で、赤血球を体の隅々にまで運ぶ。値が低い場合は、栄養不足か肝臓障害の可能性が考えられる。

Eリン(P) 【5.5mg/dL以下】

主にタンパク質が分解してできる物質で、値が高くなると副甲状腺ホルモンの異常が起こり、かゆみや関節痛を引き起こす。

Fカリウム(K)  【5.5mEq/dL以下】

高くても低くても心臓に悪い影響を及ぼす。高カリウム血症では、体のだるさやしびれが起こる。正常値を保てるように食事に注意。

Gβ2-ミクログロブリン  【30mg/L以下】

アミロイドという異常な繊維状のタンパク質が、骨、関節に沈着して痛みとともに機能障害を起こす「透析アミロイドーシス」という病気の原因となる物質。




 
 
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