β-Health通信 982号掲載(平成17年1月10日号) 〜100歳までも、生きられる!〜
透析専門医
松本昭英先生に聞く

17年前も前から、透析者さんと共に「朝の体操」を行って「健康の創造」を実践している医療施設があります。
「運動?病気なのに…」と思う方も少なくないでしょうが、実践者の多くが、体操による効果を実感しているとか。
「透析を受けながら、100歳まで長生きすることだってできる」と言う、理事長の松本昭英院長にお話をお伺いしました。

松 本 昭英  先生

兵庫県伊丹市いたみバラ診療所院長
 松 本 昭英 先生


17年前に開始した「朝の体操」の効果
「腎不全を患っている人は、免疫能が低下しているので、体の機能を維持していくことが重要です。そのために効果的なのが運動です。当院では、17年前から『朝の体操』(30分間)を行っていますが、一度参加された方のほとんどが、止めることなく続けておられ、体調維持に大きな効果を上げているんですよ」
こうおっしゃるのは、兵庫県伊丹市にある「いたみバラ診療所」の松本院長。毎朝8時45分に集まり、参加者全員で行う体操を長年継続しておられます。参加者対象のアンケート調査結果では、貧血や冷え性が改善し、肩こり、便通、腰痛が治った、よく眠れるようになった、等々、ほとんどの方が体操の効果を感じていらっしゃるとか。透析で起こる足のツリや血圧低下などの症状も軽くなり、細胞性免疫の数値も高くなるなど、検査結果でも運動の効用は明らか。これまで参加した方はのべ100人近くになり、最高齢の方が90歳と、高齢の方がほとんどですが、ガンで亡くなったのはお1人だけということにも、先生は手応えを感じているそうです。

運動の心地よさを思い出すことから
体操以外に効果的なのが、歩くこと。よく歩いている人は、足の甲を触ると、足背動脈が脈打っているのがわかるとか。つまり、足先にまで血液が循環している証拠で、こういう人は、転倒したり、足がつったりすることも少ないといいます。
とは言え、健常人でも運動不足を自覚しながら、重い腰を上げられずにいる人が多いもの。無気力になり、外出することも、透析を受けることも億劫になるのが腎不全の症状の一つですから、運動を始めるには、何かのきっかけが必要なことも確かです。
花見や紅葉狩りのように、楽しく歩ける機会を、ご家族や周囲の方が作ってあげてもいいでしょう。そうしたことから、自分の足で歩くクセがつく人も、実際に多いようです。「体を動かし、大きな声で笑っていれば、生きる意欲も、強い生命力も湧いてきます。そういう習慣をもてば、透析を受けながら100歳まで生きることも可能だと私は確信しています。」という松本先生はそんな100歳集団を増やしていくのが夢だとか。自宅や近所の公園で、自分に合った形で体を動かす習慣を多くの人に持ってほしい、とやさしい目で力説されていました。そして、手軽に始められて、効果的な体操の例を教えてくださいましたので、次ページでご紹介します。あなたも今日から、始めてみませんか。




 
 
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